あかねの材質について
公開日: 2016/2/22|最終更新日: 2022/6/28
あかねは、主に東南アジア方面から輸入されるアカネ科の木による印材です。
あかねの特徴
木製の印材の中では木目の緻密さ、硬さ、粘り(弾力)など多くのすぐれた特徴を持つことから、印材として古来より重用されてきました。
しかし、日本の柘は成長が遅く、植林から伐採までに長い歳月がかかります。
このため海外から、柘によく似た木質ながら成長が早いアカネ科の木材を輸入し、「シャム柘」などと呼んで印材として使用するようになりました。
厳密に比較すると、高級品ではシャム柘よりも国産の柘のほうが長所は多いのですが、シャム柘は安価でありながら柘に近い品質が得られ、コストパフォーマンスの高い印材として広く人気を集めました。
しかし、後に公正取引委員会がガイドラインを定め、シャム柘には「アカネ」という名称を添えなくてはならないことになり、日本の柘とは区別されるようになりました。
シャム柘は、コストパフォーマンスの高さ、十分な実用性と美しさから「あかね」と呼ばれるようになった今日でも高い人気を誇っています。
印材としてのあかねの魅力
あかねにははっきりとした年輪がなく、木質が硬く粘りがあり、きめが細かいという特徴があります。
印鑑にしても十分な耐久性を備えており、木材にありがちな反り・狂いも発生しにくく、木材の中では本柘と並んで人気の高い印材です。
また、本柘と比べて価格がかなり安い点もあかねの大きな魅力でしょう。
これは決して「輸入材だから品質が柘よりも著しく劣っている」というような理由ではありません。
あかねは本柘よりも成長が早く、また木も大きくなるために製造コストが安いのです。
そういう意味では、希少性という点においては本柘に勝てませんが、決して劣っているというものではありません。
あかねの見た目は、本柘に比べると若干色が濃い傾向があります。
しかしその分、いかにも木製の印鑑らしい温かみと、スッキリとした木目の美しさが感じられます。
また、手に持つとしっくりとなじむ点は本柘によく似ています。
印材以外のあかねの用途
説明してきたように、あかねは「東南アジア方面から輸入されるアカネ科の木材」の印材としての名称ですから、特にほかの用途というものは見当たりません。
ただし、本柘に似た木質ですから、別の用途・別の名称で輸入され、工芸品や建材などに使われている可能性は十分あります。
ちなみに、日本のアカネ科の樹木というと、ハクチョウゲやクチナシなどがあります。
ハクチョウゲもクチナシも高さ1~2メートルほどの常緑低木で、木材というよりは生垣や庭木としてよく栽培されています。
園芸や盆栽などにも好んで使われます。
本柘の代用品ではない柘(アカネ)
印鑑の世界では「本柘の代用品」とみられることが多いあかねですが、本柘より成長が早く、また木が大きくなることから、木材資源という視点からは本柘よりも環境に優しいすぐれた印材であるといえます。
代用品というよりも、「あかねという印材である」という考え方をすれば、価格面も含めて非常に魅力的な印材です。
印材以外のあかねのこれから
本柘に似た特徴を持つ魅力的な印材であることから、印鑑としての柘の知名度を高め、また本柘の供給不足を補ってきたあかね。
名称は変わったものの、手頃な値段で手に入る質のよい印材としての魅力は変わらず、多くのお客様にお求めいただいております。
現在、柘の需要増から、薩摩本柘など高品質な国産の柘印材も増産に取り組んでいます。
しかし、樹木は成長に年月がかかるため、一朝一夕に高品質な国産の本柘が市場に豊富に出回るというようなことは難しいと思われます。
その点、あかねは乱伐による木材資源の枯渇の心配もなく、今後も安定した供給が期待できます。
はんこ森では、本柘に近い高品質なあかねだけを厳選して、これからも手頃な価格で質のよい印鑑を皆様にお届けしてまいります。
→ あかねの印鑑
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