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薩摩本柘(さつまほんつげ)材質について

薩摩本柘(さつまほんつげ)は鹿児島県の指宿地方原産で、現在は南薩地方の揖宿郡周辺で多く栽培されているツゲ科の常緑低木です。


薩摩本柘(さつまほんつげ)の特徴

つげはもともと亜熱帯地方の植物で、日本に入ってきて日本の固有変種として定着した木です。

このため南薩の温暖な気候がつげの栽培に適して古くから盛んに栽培されました。

南薩地方では長年にわたる品種改良によって高品質なつげが栽培されるようになり、江戸時代にはすでに全国的な「薩摩つげ」というブランドを確立していたようです。


薩摩本柘の印鑑が珍重される理由

つげは常緑広葉樹のためはっきりとした年輪がありません。

また、つげにとって日本の気候は寒いため成長が遅く、その分緻密で硬い木質となっています。

そのつげの中でも、薩摩本柘は特に「きめ細かく、狂いが少なく、なめらかで硬い」という特徴があり、木材の中ではもっとも印材に適した性質を持っています。

また、こうしたすぐれた点がありながら、木材以外の印材に比べて価格が手頃なため、薩摩本柘を使った印鑑は非常に高い人気があります。

このため、現在では南薩地方でとれる薩摩本柘の約90%が印材として全国に広く流通するようになりました。


鹿児島県の伝統工芸品「薩摩つげ櫛」

「櫛になりたや薩摩の櫛に 諸国娘の手に渡ろ(薩摩の櫛は、日本中の女性の手に渡ってうらやましい)」

江戸時代から、このような歌が歌われるほど、薩摩本柘でつくられた櫛(くし)には高い人気がありました。

薩摩本柘は表面がなめらかで丈夫なことから、櫛どおりがよく、また櫛の歯を細くしても折れにくいといった理由から好んで櫛の材料に用いられました。

薩摩本柘はつげ材の中でも特に色ツヤが美しく、新しいうちはクリーム色を帯びた明るい茶色で、年を経るごとに光沢のあるアメ色に変化していきます。

適切な手入れをしていけば、使えば使うほど美しくなる素材です。

それが薩摩本柘の大きな魅力の一つでもあります。

近年は薩摩本柘のこうした特徴の数々を生かして、彫刻や版木、楽器などへの用途も増えてきているといいます。


薩摩本柘の歴史と背景

薩摩本柘は植林のように、山に集中して植えられるものではありません。

南薩地方では畑や民家の生け垣など、庭木のように植えられるのが一般的です。

つげは暖かいところを好む樹木ですが、薩摩本柘はあまり日当たりが強くなく、北風の当たらない半日陰の場所を好みます。

また、害虫がつきやすいため管理に手がかかり、このため人の目の届きやすい畑や民家の近くで栽培されるといいます。

加工前の薩摩本柘は水に濡れるとシミができるというデリケートな性質を持っています。

そのほとんどが印材として使用される薩摩本柘だけに、厳しい品質管理が求められます。

素人目にはどこがシミなのかわからないようなわずかなシミも、加工前の厳しい検査ではねられてしまうのです。

近年は海外からほかのつげ材も大量に輸入されるようになりました。

しかし、長年の品種改良で生み出された日本ならではの薩摩本柘のよさは別格です。

その薩摩本柘は丹精込めた栽培と厳しい検査によってさらにふるいにかけられ、真に上質な木材だけが印材として提供されています。


薩摩本柘の今後について

このように栽培に手間がかかることから、従来あまり大量生産されてこなかった薩摩本柘。

しかし近年、海外からの輸入つげ材の台頭によって全国的につげ材の人気が高まり、それにつれて薩摩本柘の需要も増えていきました。

そして、公正取引委員会のガイドラインによって、輸入つげ材は「アカネ」という名称で日本のつげとは区別されることになりました。

「日本産のつげを、しかもそのなかで最高品質のものを」というお客様のニーズに応えるため、現在、南薩地方では薩摩本柘の増産に取り組んでいます。

こうした事情から、今後も高品質で手頃なお値段の薩摩本柘を安定して皆様にお届けできるのではないかと考えています。

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